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「発掘された屋久島~安房城」展 中世の陶磁器を中心に出土品を展示

はっきりと文様が現れた中国製の青磁の器

はっきりと文様が現れた中国製の青磁の器

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 「屋久島環境文化村センター」(屋久島町宮之浦)交流ホールで10月1日から、屋久島博物館連絡会議合同企画「発掘された屋久島~安房城」展が開かれている。

屋久島町役場職員として発掘調査を担当した濱岡尚志さん

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 屋久島町社会教育課が2019年から2021年に発掘調査を行った安房城跡から出土した遺物を展示する。安房城は16世紀ごろに築かれた山城だが、1200点に及ぶ出土品の多くは、12世紀ごろの陶磁器。中国福建省や浙江省で作られた青磁の皿やわん、鹿児島県徳之島のカムィヤキの器、長崎県西海市西彼杵半島の滑石製石鍋の破片など、出土品の産地は広域にわたる。安房川に面した高台であるこの地は、山城として土塁などが築かれる以前から、交易の中継地として利用されていたとみられる。

 屋久島町役場で「安房城跡発掘調査」を担当する濱岡尚志さんは「出土する陶片は、釉薬(うわぐすり)が欠けたものや、焼成不良のもの、いびつな形のものが多く、この地で交易に使用する陶磁器をより分けていたのでは」と話す。

 開催時間は9時~17時。観覧無料。今月23日まで。以降は、「屋久杉自然館」(屋久島町安房)、「屋久島町役場本庁」(屋久島町小瀬田)、「屋久島町歴史民俗資料館」(屋久島町宮之浦)でそれぞれ1カ月ほど、巡回展示を行う。調査報告書「安房城跡」(鹿児島県屋久島町教育委員会刊)は屋久島町図書室で閲覧できる。

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