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屋久島の陶芸家と器作り体験 自然が生きた素朴な焼き物

粘土を触り始めると、作品作りに夢中になる子どもたち

粘土を触り始めると、作品作りに夢中になる子どもたち

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 屋久島町の屋久島環境文化研修センター(屋久島町安房)で2月17日、OYAKO LABO「森の芸術家になろうの会」が開催された。

山下さんと子どもたち

 「埴生(はにい)窯」の山下正行さんを講師に招いて行った同会。当初予定していた定員を上回り親子8組、23人が集まった。屋久島の土などを山下さんが独自に配合した粘土を、1人2キロ配布した。それまで走り回っていた子どもたちも粘土を手にすると夢中になり、器やはにわ、好きな動物や食べ物など、思い思いの形を作っていた。

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 器作りの前に、森の中を散策して拾い集めた葉や木の実で模様を付けたり、器に型押ししたりと自然の素材も取り入れた。0歳の子どもは両親が作った器に手形や足型を押すなどして、器作りに参加していた。出来上がった作品はよく乾燥させて、3月10日に野焼きする。

 山下さんは長野県生まれ。京都の窯で技術を学び、1982(昭和57)年に屋久島へ移住。1986(昭和61)年に「阿多良(あたら)窯」を始めた。2007年、老朽化した窯の修繕中に幼くして亡くした娘の名前から、「埴生窯」と改名。昔ながらの「穴窯」と呼ばれるまき窯で作品作りを続ける。

 山下さんのアトリエには食器以外に、ラクダや竜など表情豊かな生き物などの作品も並ぶ。作品は釉薬(ゆうやく)を使わない「焼き締め」で、「土が生きた素朴な風合いが魅力」という。高温で長時間焼くことで灰が溶けてガラスのように変化する自然釉は、火の流れ、まきの種類、天候も影響する。山下さんは「焼き上がって初めて仕上がりが分かる。ゆがんだり割れたりと、失敗も多い。とても時間と手間の掛かる作業だが、それを手に取って喜んでくれる人と出会うと、何とも言えないうれしさがある」と話す。