見る・遊ぶ 暮らす・働く

屋久島で伝統行事「十五夜の綱引き」 手作りの綱で三本勝負

「十五夜の綱引き」の様子(平野集落)

「十五夜の綱引き」の様子(平野集落)

  • 2

  •  

 屋久島町の各集落で9月15日、伝統行事「十五夜の綱引き」が行われた。

「子ども相撲」の様子(尾之間集落)

[広告]

 毎年旧暦8月15日の夜、集落の子どもからお年寄りまでが集まって綱を引く同行事。尾之間集落では、青年団や保存会が主催となり、「綱うち」という綱作りから始まる。綱は、直径20~30センチ、長さ40~50メートル。まずは3本の小綱を作り、それらをより合わせ一本の太い綱に。完成後は、お神酒と塩を供え清める。

 当夜は、最初に月へささげる「月への上げ歌」を歌う。その後、綱を前後に揺らしながら「綱引き歌」という民謡を歌い、歌い終わると同時に綱を引く。県道を挟んで山手側と海手側の住民、大人と子どもなどに組を分け三本勝負を行う。綱引きの後は綱を使って土俵を作り、「子ども相撲」が行われる。

 尾之間村落誌によると、「いつのころ、どこから伝わり、なぜ綱引きが行われていたかについては全く不明。1880(明治13)年ごろにはすでに行われていたのではないか」とあるが、別の集落では「豊作を祝う行事」と伝わっている。綱引き前に歌う民謡も集落によって異なり、尾之間では恋愛の歌、吉田では嫁と姑(しゅうと)の戦いの歌を歌う。綱作りも「綱練り」「綱結い」などの呼び名があり、同じ綱引きだが、集落ごとに、それぞれの伝統を残している。

エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース