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屋久島おおぞら高校で卒業式 脳科学者の茂木健一郎校長が一人一人にエール

卒業生、保護者、教職員が全員で「屋久島でまた会おう!」

卒業生、保護者、教職員が全員で「屋久島でまた会おう!」

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 屋久島を拠点とする広域通信制・単位制高校「屋久島おおぞら高校」(屋久島町平内)で3月25日、卒業生の代表65人が出席して卒業式が行われた。

式前に校長(左から2人目)と記念撮影する大阪在住の父子

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 同校の約9000人の生徒は、全国にある提携サポート校で通信制や通学しながらの単位制で授業を受け、年1回、屋久島での4泊5日のスクーリングに参加する。スクーリングでは、教室・体育館での授業や屋久島の大自然での特別活動などを通じてさまざまな経験を積み、生徒同士の絆を深める。

 今春卒業する3458人のうち、各キャンパスから推薦を受けた65人が屋久島に集い、密を避けるため午前と午後に分かれて卒業式に出席した。参加できなかった生徒のために式の様子をユーチューブで公開した。

 おおぞら高校の校長は、一年前に就任した脳科学者の茂木健一郎さん。生徒一人一人を祝福する姿勢が見られた。式が始まる前には会場入口近くの「卒業式」と書かれた看板の脇に立ち、到着した生徒と保護者に声をかけ、記念撮影に応じていた。生徒1人ずつに卒業証書を手渡す際には、証書に記されている名前や生年月日などを見ながら、「名前のように太陽のような人になってください」などといった短いコメントを添えていた。

 校長式辞では、「卒業証書を手渡しながら、一人ひとりが素晴らしい個性を持っていると感じた。本校は、なりたい大人になるための教育を重視している。個性をどう生かすかが皆さんのこれからの課題。そのために高校での学びはかけがえのないもの」と語りかけた。

 卒業式後の「交流会」は、校長自らマイクを手に軽妙な進行役を務め、笑いの絶えない1時間となった。卒業生たちは、10年後の自分に宛てたメッセージを、思い思いのポーズを取りながら「タイムカプセル」に投函した。10年後に屋久島で再会して開くという。

 最も遠方の仙台から母親と参加した千葉ひまりさんは、「スクーリングがとても楽しかった。新型コロナウイルスの影響で1回だけだったので、ぜひもう一度屋久島に来たくて参加を希望した。飛行機を3便乗り継ぎ、12時間以上かかったが、十分にその価値がある楽しい卒業式だった。10年後にもう一度来たい」と楽しそうに話した。母親は「スクーリングの後、娘がとても楽しそうだったので、自分でも学校を見たくて付き添った。デザイン関係の仕事に就きたい娘に、個性を生かしてくれるこの学校がぴったりだった」と話していた。

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