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軽石回収のため与論島に向かう作業船「海煌」 屋久島・安房港で天候の回復待ち

安房港に停泊する双胴の海洋環境整備船「海煌」

安房港に停泊する双胴の海洋環境整備船「海煌」

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 海岸に漂着した軽石を回収するため与論島に向かっていた国交省の海洋環境整備船「海煌(かいこう)」が、悪天候のため屋久島の安房港で足止めされ、11月24日で10日目の朝を迎えた。

船首にはスキッパー(中央奥)や回収コンテナ(右端)を搭載

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 「海煌」は熊本県・八代港を基地港とし、普段は八代海や有明海で漂流ゴミの回収作業を行っている。2つの船体を平行につないだような双胴船で、胴体の間に流れ込む海水中のゴミを金属製の巨大な網「スキッパー」ですくってコンテナに回収する。浅瀬でも作業できるように小型回収船「むつごろう」も搭載する。

 現在、鹿児島県最南端の与論島に漂着している海底火山から噴出したとされる大量の軽石を回収するために今月3日、同船は八代港を出航。もともと沿海での作業を目的とした比較的小型の船舶とあって悪天候に弱く、夜間の航行もできない。指宿・山川港、屋久島・安房港、奄美大島・名瀬港の順に寄港し、荒天なら出港を控え、出港してから天候が悪くなれば前泊地に引き返すことで、安全を確保しながら与論島を目指している。

 指宿には3日、無事到着したものの悪天候のため足止めされ、安房港に到着したのは14日。現在は、いったん名瀬に向けて出港したものの悪天候のため安房港に引き返すということを繰り返している。一方で、途中の海域では気象条件を確認しながら軽石の漂着がないかなど調査を行ってきた。 

 「海煌」には、国交省職員を含む7人が乗り組んでおり、停泊中は船内で寝泊まりし、天候が回復し次第出発できる態勢を取っている。条件が良ければ安房を出港後、名瀬を経由して2日間で与論島に到着できる。

 与論島到着後の活動内容は、「海煌」の広報を担当する国交省九州地方整備局港湾空港部(福岡市)によると、海面に浮く大量の軽石を回収した経験がなく、スキッパーを有効に使う方法や、小型回収船「むつごろう」の出番など、実際に現場で試行錯誤しながら効果的な回収方法を検討するという。

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