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屋久島高校演劇部が自主公演 戦時中の屋久島が舞台の「水中家族」発表

英一をかくまう家族

英一をかくまう家族

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 屋久島高校演劇部が11月10日、戦時中の屋久島を舞台にした「水中家族」を屋久島離島開発総合センター(屋久島町宮之浦)で上演した。

当時の様子を語る老婦人

 南九州市知覧で活動する「劇団いぶき」が2013(平成25)年に発表・公演した同名の作品を、演劇部顧問の上田美和さんが潤色。舞台を屋久島に置き換え、演劇部員構成や上演時間を考慮して改変した。

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 屋久島にかつて存在した谷沿いの集落「やどご」に美しい池があり、夜はその底で眠るという不思議な家族が住んでいた。娘のカホは、同じ生活をする若者が現れて結ばれる日を待ち望んでいる。ある日、上官の命令に背いたことが原因で操縦する戦闘機を沖合に不時着させてしまった航空兵を救い出す。英一と名乗るその青年をかくまううちにカホとの間に恋心が芽生えるが、英一は軍隊に復帰する決心をし、島を去る。

 舞台は、島在住の緒方麗(うらら)さんが歌う屋久島民謡「まつばんだ」で幕が開く。一人の女性が老人施設を訪れ、入所者の老婦人と面会する。カホの親友だったというその老婦人が当時を語り、それに合わせて舞台が進行する。劇中のあちらこちらに、戦中・戦後の屋久島の様子が織り込まれる。英一の手記を女性に渡した老婦人は最後に意外な事実を告げられて泣き崩れ、観客席にいた多くの女性の涙を誘った。

 前作「ジョン・デンバーへの手紙」の最終公演を9月11日に終えてから本格的な準備に取り掛かり、わずか2か月で今回の公演にこぎ着けた。舞台衣装や小道具がそろわない中、短い練習期間にもかかわらず好演した出演者11人と音響・照明担当の4人に惜しみない拍手が送られた。

 本作は11月13日~14日に鹿児島市で開催される鹿児島県高校演劇祭で上演予定。

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