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屋久島で灯台の一般公開 海上保安部職員が館内を案内

一般公開中の屋久島灯台。灯台を擬人化したキャラクターが出迎えた

一般公開中の屋久島灯台。灯台を擬人化したキャラクターが出迎えた

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 灯台内部の一般公開が8月11日、屋久島北西部の永田岬に立つ屋久島灯台(屋久島町永田)で行われた。

レンズと光源を支える(下から)免震装置、ジャッキ、水銀槽

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 普段は立ち入り禁止の内部を一般公開するのは2013(平成25)年の「屋久島ツーデーマーチ」に併せて公開して以来。2021年に灯台と周辺の石塀が国の有形文化財として登録された際には、設置された登録プレートの除幕式に併せて一般公開する予定だったが、悪天候のため中止となった。今回は島内の多くの子どもたちが見学できるようにと、山の日に実施した。

 当日は、灯台前の広場では、屋久島灯台を擬人化した「守り人」の等身大パネルが見学者を出迎えた。同パネルは日本財団が「燈の守り人(あかりのもりびと)」プロジェクトで屋久島灯台を選定したのをきっかけに、屋久島町に寄贈。普段は役場本庁舎の玄関で展示している。広場の仮設テントでは、海上保安庁の制服・制帽の試着、VRゴーグルを使ったヘリコプター体験、ピンバッジなど記念グッズの無料配布も行った。内部は自由に見学してもらい、希望者には鹿児島海上保安部の職員が付き添って説明した。中央の灯塔の狭いらせん階段を上がると、最上部ではレンズと光源のほかそれらを支える水銀槽や耐震装置、レンズを回転させるモーターなどを間近に見られた。バルコニーに出ると、眼下でウミガメが悠々と泳ぎ、遠くには噴煙を上げる口永良部島が見えた。南方に向かうフェリーや貨物船の多くがこの航路を通るという。展示場と電気設備室を兼ね灯塔の下部を囲む扇型の「付属舎」では海上保安庁の紹介パネルや屋久島灯台と同じタイプのレンズを展示。光源には家庭用と同じ100ボルトの電源を使う。停電時に備えて多数のバッテリーを連結した無停電電源装置を備える。夜間に自動点灯するための光センサーは窓ガラスの内側に設置。横に置かれた厚手の布は、昼間に灯火の点検をするためのセンサーカバーだという。

 案内してくれた海上保安部交通課の森真也さんは「口永良部島と屋久島の間の航路の安全を守るのがこの灯台の役割」と話す。

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