屋久島を拠点とする広域通信制、単位制高校「屋久島おおぞら高校」(屋久島町平内、TEL 0997-47-3300)の校長に脳科学者の茂木健一郎さんが就任し、3月19日にオンライン記者会見を行った。
文部科学省の調査によると、2000(平成12)年に113校だった通信制高校は、2019年に253校と倍増。少子化により、全日制と定時制の生徒数が減り続ける中、通信制高校は生徒数を増やし続けている。2005(平成17)年に開校した「屋久島おおぞら高校」でも、8311人(2020年5月現在)の生徒を抱え、これまでに4万人近い卒業生を送り出してきた。
茂木さんと屋久島おおぞら高校の縁が生まれたのは、2013(平成25)年の特別授業から。翌年には「おおぞら校歌プロジェクト」が立ち上がり、茂木さんが生徒のアイデアを監修する形で作詞に携わり、開校10周年に合わせて校歌を披露した。
屋久島おおぞら高校最大の特徴は、全生徒が経験する屋久島スクーリング。屋久島に滞在しながら、「いのちの授業」「グループワーク」「自然体験活動」などを通じ、学びながら生徒や教師との交流を深める。
茂木さんは「学びの在り方も多様化している時代、屋久島でのスクーリングは自然から五感で多様性を学ぶ、かけがえのない体験」と、島での学びの魅力を語った。
今後は、公式ブログなどで校長としての発信を行うほか、生徒との対話や自らのネットワークを生かした外部講師の授業なども積極的に取り入れていくという。