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屋久島町春牧区が70周年記念誌「春牧70年のあゆみ」発行 区のシンボルマークも決定

70年記念誌(右)と過去の記念誌

70年記念誌(右)と過去の記念誌

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 春牧区が2月、発足70周年を記念して「春牧70年のあゆみ」を発行した。

春牧区の新しいシンボルマークを披露する区長の外薗さん(右)

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 春牧区は戦後すぐの1949(昭和24)年に、安房区から春田地区と牧野地区が独立して発足した。70周年となる本年度の記念事業の一つが記念誌の発行。区の新旧役員ら20人ほどからなる実行委員会が2年かけて完成させ、3月10日発行の町報と共に区の全戸に無料で配布した。

 記念誌のかなりの部分を占めるのが、縄文時代から始まる春牧区関連の年表。奈良時代に漂着した鑑真、鎌倉時代に屋久島を目指した平家の盛久、室町時代に鳴動(地鳴り)を鎮めた日増などの逸話が簡潔にまとめられ、近代から現在に至る出来事は時系列に沿って詳しく列挙されている。多数の写真が随所に配置されており、「主に、毎月発行している『春牧区だより』の写真から選定した」と区長の外薗正流(ほかぞのまさる)さん。「写真が足りないときは自分で撮りに行った」とも。

 年表のほか、4編の寄稿を掲載。石川國明さんの「春牧に暮らして60余年の記憶」は、現在は廃村となっている安房川上流の太忠集落から約60年前に春牧区に移住した石川さんが、子ども時代の生活を振り返ったもの。当時の粟穂(あわほ)中学校の生徒が大けがをし、輸血用血液を運んできたヘリが校名を読み誤って栗生中学校に血液を投下してしまい、これが契機となって安房中学校と名前を改めた、といった逸話を紹介する。石川さんは「春牧里めぐりの会」の会長も務め、里めぐりに関する話題も寄稿する。A4判、102ページ。

 70周年を記念して、新たにシンボルマークも募集した。採用されたものは、区のカラーであるオレンジ色の円内に、区の4つの地域を意味する4枚の葉が描かれている。円は区民のまとまりを表し、葉が2つに割れているのは各地域の調和を表すという。このシンボルマークをあしらった旗もできており、町のイベントなどで使うという。

 外薗さんは「春牧区は古くからいる住民が出しゃばらず、新しく入ってきた人たちと解け合って区の運営にも関わってもらうなど、新しい風が吹き込まれ活性化している」と話す。実際、区の人口は順調に増加しており、世帯数、住民数ともに、宮之浦区と安房区に次ぐ島内第3の区になっている。

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