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屋久島の学童クラブで稲作体験 集落で初めての米作り

保護者と一緒に稲刈りをする児童たち

保護者と一緒に稲刈りをする児童たち

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 一湊小学校(屋久島町一湊)の児童を預かる一湊小黒潮学童クラブが10月2日、自分たちで種もみから育てた稲の刈り取りを行った。

稲刈りの参加者たち。右端が佐藤さん

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 屋久島町では「屋久島町山海留学事業」を実施しており、町内の小学校に入学、または転学を希望する島外の児童を支援している。一湊集落では「黒潮留学」と呼ぶ制度を導入し、2018(平成30)年から留学生の受け入れを開始。親子で島に移住する「家族留学」の形態を取り、集落の空き家を有効利用している。

 一湊小黒潮学童クラブは、親の負担を軽減しようと、黒潮留学の開始に合わせて運営を始めた。学校に隣接する旧職員住宅を借り受け、クラブの拠点となる学童ハウスとして使用。現在、一湊小学校の児童30人のうち、留学生3人を含む13人が登録されており、23人のボランティアが毎日2、3人ずつ交替で指導を行っている。

 今回、屋久島町歴史民俗資料館(以下歴民館)の黒飛淳さんが、学童クラブの活動として稲作の体験を提案。黒飛さんは、島内の小・中学校で伝統的な農具を使った米作り体験授業を推進しており、平日の放課後や休日を利用して、ボランティアや保護者も一緒に作業することになった。

 学童クラブの取りまとめを担当する僧侶の佐藤明了さんらが、校内の一角を耕し、種もみを譲り受けて稲作の準備を行った。一湊は漁業中心の集落である上、砂質で水持ちの悪い土壌は、大量の水を必要とする稲作には適さず、集落にはこれまで米作りの指導者がいなかった。黒潮留学の実行委員長で、学童クラブのボランティア指導員でもある兵頭昌明さんは「一湊集落で稲作を見たのはこれが初めて」と話す。クラブでは、常に水を絶やさないよう細心の注意を払い、今回の稲刈りにこぎ着けた。

 稲刈りに集まった児童と保護者、ボランティアが作業を行った。刈り取った稲は10日ほど乾燥させた後、歴民館が所蔵する伝統農具を使って脱穀するという。

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