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屋久島で人形浄瑠璃「盛久」公演 平家の武将、平盛久を祭る神社の前で

三味線の弾き語りに合わせて演技する人形たち

三味線の弾き語りに合わせて演技する人形たち

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 盛久神社(屋久島町安房)前のグラウンドで、10月1日、真明座(新潟県佐渡市)による人形浄瑠璃「盛久」の公演が行われた。

巨木の奥に佇む盛久神社

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 公演に先立って、「春牧区盛久伝説の会」の市川聡さんが、紙芝居を使って盛久神社の由来を紹介した。壇ノ浦で敗れた盛久は捕らえられて鎌倉に護送されるが、千手観音の加護によって奇跡的に助かる。その後、壇ノ浦で入水したはずの安徳天皇が逃げ延びたという薩摩硫黄島(鹿児島県三島村)に向かうものの、薬草を求めて屋久島に渡る途中に病気で亡くなった。いったん海岸近くに埋葬されたが、神のお告げによって現在の場所に移されたという。

 近松門左衛門作の「盛久」は、壇ノ浦の戦いの後に捕らえられた盛久が、処刑を免れて源頼朝の厚遇を受けるまでを描いた全5段に及ぶ大作。今回はその第1段と第5段を真明座が演じ、途中の第2段から第4段までのダイジェストを、春牧青年団を中心とする青年たちが寸劇として披露した。

 真明座の人形浄瑠璃は、太夫が三味線を弾きながら語る「文弥節」に合わせ、一体の人形を一人の人形師が操る一人遣いの人形芝居。佐渡では現在も、この文弥人形を演じる人形座が真明座を含めて7座あり、佐渡に残る他の人形芝居とともに、「佐渡の人形芝居」として国の重要無形民俗文化財に指定されている。

 春牧区では、盛久神社を拠点とする「春牧里めぐりの会」を結成し、里めぐり観光に力を入れている。地域住民に盛久をより深く知ってもらうことに加え、島内外からの交流人口を増やすことで里めぐり観光を活性化しようと、今回の公演を行ったという。

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