「屋久島国立公園パークボランティアの会」が環境大臣表彰を受賞し、その表彰式が3月19日、同会が事務局を置く屋久島世界遺産センター(屋久島町安房)で行われた。
パークボランティアは、国立公園での自然観察会や美化清掃、施設の維持などを行うボランティアで、全国の国立公園40地区において地区ごとの特性に応じた活動を行っている。屋久島では、世界遺産に登録されて間もない1996(平成8)年1月に、屋久島の自然を大切にしながら自然環境の適正な利用を推進することと、ボランティア相互の情報交換と親睦を図ることを目的としてパークボランティアの会が発足した。現在、養成研修を修了してパークボランティアとして登録された正会員13人と、登録を希望する10人の準会員とで会を構成し、不定期で新会員の募集を行っている。
同会は、登山口でごみ袋を配布して登山道美化を呼びかける活動から始め、屋久杉伐採の拠点であった旧小杉谷集落の生活ごみ回収、西部地域での不法投棄物の回収、登山道沿いの標識修繕、サルへの餌やり禁止のステッカー配布、外来植物の駆除活動、屋久島と口永良部島の海岸清掃など自然保護思想の普及啓発と美化清掃などを行ってきた。
27年にわたるこれらの活動が評価されて今回の受賞となった。環境大臣表彰の正式名称は、「自然公園関係功労者環境大臣表彰」。国立公園を含む自然公園の保護と適正な利用に関する顕著な功績に対して贈られるもので、今年度は全国で32の個人と団体が受賞した。九州地方では8件の受賞があり、団体に贈られたのは屋久島のみ。
表彰式では、環境省屋久島自然保護官事務所の代表からあいさつがあり、会長の若松昭男さんと、発足当時から活動を続けてきた寺田哲史(のりふみ)さんに、屋久島町副町長の日高豊さんから表彰状と記念品が手渡された。受賞を機にパークボランティアを引退するという寺田さんは、謝辞の中で27年間の思い出を語り、「パークボランティア頑張れ」とガッツポーズで締めくくった。