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屋久島と口永良部島を結ぶ海底ケーブル 敷設のための海底調査始まる

永田港に戻った調査船(手前)と警戒船(後方)

永田港に戻った調査船(手前)と警戒船(後方)

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 屋久島北西部の永田地区で7月5日、口永良部島への海底ケーブル敷設のための海底調査が始まった。

調査船がえい航する海底探査装置

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 口永良部島は、屋久島の西方約12キロ沖合に浮かぶ人口100人程度の島。ここに光回線を導入するため、永田地区から海底ケーブルを年度内に敷設する。敷設ルートはほぼ決まっているが、ケーブルを陸揚げする正確な位置を決めるために、予定地点周辺の海底や海岸の詳細なデータを収集するのが今回の調査の目的。

 1960年代に口永良部島に公衆電話を設置するため、永田地区からアナログ回線用の海底ケーブルが敷設されたことがある。現在は丘の上にあるアンテナが電話を中継しているが、伝送容量が小さいためADSLさえ提供されず、天候の影響も受けやすい。海底ケーブルの敷設と光回線の導入によって、口永良部島の情報インフラが一挙に向上する。

 海底調査には10トン級の漁船を使う。「測量中」と書かれた赤い旗を立て、探査装置をえい航しながら揚陸地点周辺の海上をくまなく移動して海底のデータを収集する。調査船には数人の技士が乗り込み、探査装置から送られるデータをリアルタイムでモニターしながら船長に航行指示を出す。他の漁船などが誤って調査船に近づかないよう、「警戒船」と書いた赤旗を立てたもう一隻が周囲を監視する。

 探査装置はロケットのような形で、長さ1メートル、幅50センチほど。調査船とは数十メートルのケーブルで接続されている。海底の地層を調べるサブボトムプロファイラと海底面の状況を調べるサイドスキャンソナーの機能を備えている。どちらも海底に音波を出してその反射を捉えるもので、海底面のイメージ画像や海底の断面図をリアルタイムで生成できる。調査船には、海底の土壌サンプルを採取する装置も積み込まれているが、必要に応じでダイバーが潜って海底の様子を直接調べることもあるという。

 揚陸地点の詳細な土地測量も同時に始まっている。これらの調査結果を解析し、秋までには正確な揚陸地点を決めるという。

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