学ぶ・知る

屋久島町が古文書講座再開 読んで作って遊ぼう、からくりおもちゃ

都鳥の説明をする鎌田さん

都鳥の説明をする鎌田さん

  • 17

  •  

 本年度1回目の「古文書に親しむ集い ~寺小屋風~」が6月16日、屋久島離島開発総合センター(宮之浦)で開催された。

「とらや」の前で都鳥を売り歩く

[広告]

 2019年度に全6回開催され好評を得たが、昨年度は新型コロナの影響で開講できず、広い会場に変更するなど万全の対策を施して今回の開催にこぎ着けた。

 講師は奈良大学名誉教授で屋久島在住の鎌田道隆さん。前回は屋久島に残る古文書を参加者と一緒に読み解きながら当時の島の生活を解説したが、本年度は江戸時代の遊びを取り上げる。当時の出版物を読みながら、庶民の遊びに触れ、古文書に親しんでもらうのが狙い。

 初回のテーマは「都鳥(みやこどり)」。平安時代の歌人・在原業平(ありわらのなりひら)が都をしのんで「名にし負はば いざこと問はむ 都鳥 わが思ふ人は ありやなしやと」と詠んだ都鳥だが、その名を付けたからくりおもちゃがあった。紙と竹で作った「鳥」をひもで竿(さお)につなぎ、竿を中心に回すと尾羽が回転して音を出す。この都鳥を売り歩く様子を描いた「絵本家賀御伽(えほんかがみとぎ)」が今回のテキスト。

 講座ではまず「絵本」の序文を読んだ。書物の内容を紹介した出版者による文章に続いて、著者が1751年に記した序文がくる。「おじいさんはしば刈りに、おばあさんは洗濯に、というのは古くさい昔話、今の時代は」で始まり、内容の面白さに触れ「どんどん買ってください」と締めくくる。「都鳥」のページでは、ようかんで知られる京都「とらや」の前で男性が都鳥を何本か持って子どもたちに見せている様子が描かれ、「業平の歌と違い、子供が泣き止(や)む都鳥」と紹介する。

 座学の後は、用意された材料を使って参加者一人一人が都鳥を制作し、接着剤が乾くのを待って会場で回して遊んだ。「尾羽の開き具合が肝」と鎌田さん。

 古文書講座は本年度も6回開催する計画で、次回は7月20日の予定。参加無料。参加申し込みは屋久島町歴史民俗資料館(宮之浦、TEL 0997-42-1900)まで。

  • はてなブックマークに追加
エリア一覧
北海道・東北
関東
東京23区
東京・多摩
中部
近畿
中国・四国
九州
海外
セレクト
動画ニュース