屋久島で野良猫に避妊去勢手術を施し元いたところに戻す活動「TNR」に取り組む動物愛護団体「やくしま 幸せのしっぽ」が9月26日、長峰生活館(屋久島町小瀬田)でチャリティーフェアを開催した。
活動を支援する人々の寄付によるリサイクル品や手作りの猫グッズを販売するほか、写真やパネルを展示して、普段の活動を紹介。当日は猫の譲渡会も行われ、ボランティアに預けられている8匹の猫たちが、新しい飼い主に出合うべく一堂に会した。
TNRはTrap(捕獲して)Neuter(避妊去勢手術をして)Return(元いたところに戻す)の頭文字。野良猫の繁殖を抑え、殺処分の減少に寄与しようという目的を持って国内外で行われている。避妊去勢手術を施すことで、発情期の鳴き声やけんかを抑える効果も期待でき、「飼い主のいない猫」に関する苦情を減らすことにもつながるとされている。片耳に付けられた桜の花びらのようなV字の切り込みが、避妊去勢手術済みの目印。印の付いた猫たちは、地域の人々に見守られながら命を全うする。
「やくしま 幸せのしっぽ」は2019(平成31)年2月に設立された動物愛護団体で、個々人で野良猫の保護や子猫の引き取り手探しをしてきた島の愛猫家が結成。「犬猫と共生できる社会をめざす会 鹿児島」(鹿児島市)の杉木和子代表、「ル・オーナ ペットクリニック」(鹿児島市)の濱崎菜央院長の支援や協力の下、昨年10月から毎月TNRを行ってきた。
代表の小野クリスティンさんは「役場や保健所、各集落の区長と、この1年間で少しずつ協力体制ができてきた。こうしたフェアを通じ、さらに多くの島民に活動を知ってもらいたい」と話す。9月までで843匹、10月以降は毎月80~100匹ほどの手術を予定している。