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屋久島の東30キロ 種子島宇宙センターから火星探査機搭載H2Aロケット打ち上げ

早朝の太陽を背に火星探査機を高度400キロまで運ぶ

早朝の太陽を背に火星探査機を高度400キロまで運ぶ

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 種子島宇宙センター(南種子町)で7月20日6時58分に行われた、H2Aロケット42号機の打ち上げが屋久島町からも観測された。

ごう音を上げて天空に向かうH2Aロケット

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 種子島宇宙センターは南北に長い種子島の南端にあり、屋久島東部の屋久島空港の東30キロの位置にある。屋久島とは反対の太平洋側にあり、途中に丘があるため屋久島の市街地から打ち上げ場は望めないが、種子島の島影の突端から少し左に目を凝らしていると、オレンジ色の閃光(せんこう)とともにロケットが上昇した。

 青い空に白い煙を残しながらロケットが上昇すると、1分半後に地響きのようなごう音が屋久島にたどり着いた。さらに1分経過した頃、ロケットの両脇で火を噴いていた2基の個体ブースターが切り離される。肉眼ではすでに白い点にしか見えないロケット本体から、2本の白い線が力なく左右に離れる様子が見え、第1段エンジンを切り離す様子は肉眼では確認できなかった。

 ブースター切り離し直前まで真っすぐ上空を目指していたロケットは、次第に放物線を描いて水平線に落ちていくように見え、やがて視界から消える。残った煙も上空の風に流されて消え、打ち上げ前の静かな朝が戻った。

 打上げから1時間後の8時前に、予定通り探査機を切り離し、打上げが成功したことが報じられた。H2Aロケットは、2003(平成15)年に6号機が個体ブースターの切り離しに失敗したが、それ以外は全ての打ち上げに成功しており、今回を含めると成功率は97.6%。高い信頼性を背景に、三菱重工業が商業衛星の打ち上げを行っている。

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