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屋久島の老舗旅館をリノベーション 一湊の歴史感じる「屋久杉楼 七福」

名人、寺田袈裟吉による屋久杉の折上格天井

名人、寺田袈裟吉による屋久杉の折上格天井

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 築90年を超える旅館が「屋久杉楼 七福(やくすぎろう しちふく)」(屋久島町一湊)として生まれ変わり、5月30日・31日に内覧会が行われた。

書家でもあるおかみによる「屋久杉楼 七福」の看板がかかる

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 「七福」の元となった建物は、1928(昭和3)年建造の「新福旅館」。西郷隆盛が滞在したといわれる旅籠「福」を前身とする老舗旅館だった。一湊川沿いに立つ二階建て木造建築で、折上格(おりあげごう)天井、柱は四方柾の通し柱、天井や床の間には幅広の屋久杉材がぜいたくに使われている。漁港や商港として栄え、旅館や料亭、芝居小屋も抱えたにぎやかな港町、一湊の面影を今に残す。

 空襲や度重なる大火事のために、古い建物が少ない一湊集落の中で、歴史の波をくぐり抜けた貴重な建築物。50年ほど閉鎖されていた建物は傷みも激しかったが、趣を損なわないよう2年半かけて補強、補修が施された。

 宿のおかみを務めるのは、対岸でカフェ「キヨコンネガイ」(屋久島町一湊、TEL 0997-44-2176)を営む、馬場貴海賀さん。岡山県倉敷市で人気のゲストハウス「有鄰庵(ゆうりんあん)」で1年間おかみを務めた経験を故郷で生かすべく、Uターン。帰郷から3年目で宿の開業にこぎ着けた。

 馬場さんは「屋久島の一番の魅力は集落の色や空気の違い。一湊というこの集落ならではの素晴らしさを伝えたい」と意気込む。

 部屋数は6室。1階の2室はドミトリー、2階の4室は個室の宿として再出発する。料金は未定。7月の予約から受け付けていく。

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