屋久島警察署が1月9日、健康の森公園(屋久島町安房)のトラック競技場で子ども対象の山岳救助訓練を行った。
語呂合わせで「110番の日」となる1月10日を前に、地域の子どもたちに110番通報の仕方を学びながら、屋久島警察署や山岳救助隊の活動を知ってもらおうと行った同企画。この日は、安房小学校4年生33人と地元の幼稚園児、「安房防犯クラブ」メンバーが参加した。
屋久島署員は参加者たちに、110番通報の仕方や、通報の際の注意事項や心構えなどを説明。同署管内では年間約260件の通報があり、鹿児島県内の離島では2番目に多く、交通事故に関する通報が多いことなどが紹介された。
救助訓練は、縄文杉登山中に母親が動けなくなり、小学生の娘が110番で救助を要請するというシナリオで行った。4年生の片桐梅さんはクラス担任が演じる要救助者の横で実際に110番通報。事前に県警に伝えていた訓練だと告げた後、女性警官の指導に従って要救助者の症状、年齢、体格などを知らせると、直ちに屋久島署の山岳救助隊に無線連絡が入り、白バイとパトカーが競技場のトラックを一周して現場に駆け付けた。程なく鹿児島空港から県警ヘリ「はやと」がトラック中央に着陸し、担架で運ばれた要救助者を収容し訓練を終了した。
参加者はヘリの近くへ移動し、小学生や幼稚園児からの「どうしてヘリを使うのか」「ヘリはどこから来るのか」といった質問に県警航空隊の隊員が答え、県警とコラボしているローカルヒーロー番組「薩摩剣士隼人」に言及したり、一般のドクターヘリよりも一回り大きい「はやと」の性能を紹介したりなど、子どもたちにとって興味深い話題を提供した。訓練に参加したヘリ、白バイ、パトカーを自由に見学する時間も設けられ、間近で見るヘリや白バイに子どもたちは目を輝かせていた。