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屋久島で「大地の再生講座」 地域と連携し、豊かな風土や流域生態系取り戻す

矢野さんの話に聞き入る参加者

矢野さんの話に聞き入る参加者

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 「第2回 大地の再生講座」が10月25日~28日の4日間、屋久島エコビレッジアペルイ、宿泊施設のモスオーシャンハウス、エコビレッジEKAM(エーカム)、一湊エコビレッジの4カ所で開催された。

一湊エコビレッジでの作業の様子

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 講師の矢野智徳さんは東京都立大学理学部で自然地理を学び、30年以上造園に携わる。1999(平成11)年に「一般社団法人 大地の再生 結の杜(もり)づくり」を立ち上げ、全国各地で「大地の再生講座」を開催。依頼は個人の庭園・農園から、公共土木工事、災害の復興支援までさまざま。これまで手掛けた講座や施工の事例は400件以上に上る。

 今回の講座では、「大地の再生の視点と技術を知る座学」「耕作放棄地の再生」「屋久島の流域~感覚学習」など日ごとに設定したテーマに沿って、参加者と環境再生の手法を共有した。会場となった敷地だけでなく、周りの地形や自然環境、生息する生物、風や水の流れなども含めて五感を使って観察することを伝える矢野さんに、参加者は注意深く耳を傾けた。

 できるだけ地域の人に参加してもらうために、施工作業の多くは講座として実施しているという矢野さん。参加者を先導し、固くなった地面を掘り起こすなどし、水や空気の通り道を作る。事前に島内で作った竹炭や、「島のかおりラボ やわら香」の木のチップ、剪定(せんてい)した草木など、その場の自然素材を用いて施工した。

 代表理事を務める和久倫也さんは「人と自然が共生できる風土や流域生態系を、次の世代に手渡すために活動を続けている。屋久島の地形の特性もあり、山から海まで流域のつながりを体感しながら講座を実施できた。若い参加者が多く、勢いのあるメンバーだった。自然豊かで大地の力も強いので、今後の変化が楽しみ」と話す。

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