屋久島環境文化村センター(屋久島町宮之浦、TEL 0997-42-2900)で現在、「屋久島ことばでさがす魚介イラスト図鑑」展が開催されている。
屋久島在住のデザイナー田中ミエさんによる図鑑から抜粋し、拡大したものを展示する。屋久島で捕れる代表的な魚や貝を色鮮やかなイラストで紹介し、標準和名・英語名に加えて島での呼び名を併記している。
田中さんは、屋久島で発行されていた季刊誌「生命の島」に、1999(平成11)年の第50号から2009(平成21)年の第84号で廃刊されるまで、「屋久島ことば」と標準和名・英語名を併記したイラストを連載。
連載中は、イラストを見た漁師や料理人から「自分の地域では別の名前で呼んでいる」あるいは「自分たちが〇〇と呼んでいるのは別の魚だ」といった情報が寄せられたという。島の北側は薩摩の影響を、南側は奄美や沖縄の影響を受けているためかもしれないと田中さんは考える。「かつて島内の交通が不便だったこともあり、呼び名が統一されなかったのかもしれない」とも。
連載終了後、田中さんは連載中に収集した情報をさらに充実させ、2011(平成22)年に「魚介イラスト図鑑」として出版した。「屋久島ことば」に関しては、町内の7地域の人びとに確認を依頼。学名や生態については、鹿児島大学に監修を依頼して正確を期した。
田中さんは「夏休みに入った子どもたちにも、分かりやすいイラストで島の魚介類に親しんでもらい、同時に言葉の多様性にも気づいてほしい。そんな気持ちから今回の展示会を企画した」と笑顔を見せる。
展示会の開催時間は9時~17時。入場無料。8月22日まで。図鑑はB6サイズ65枚。価格は3,000円。環境文化村センターや島内の書店などで購入できる。