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屋久島の地魚活用レシピ本 魚食離れ食い止める魚の新たな楽しみ方提案

スーパーの鮮魚売り場に並んでいる「漬け魚レシピ」

スーパーの鮮魚売り場に並んでいる「漬け魚レシピ」

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 屋久島町地区水産業改良普及推進協議会が5月25日、島内のスーパーや鮮魚店で「漬け魚(うお)レシピ」の配布を始めた。

パスタの盛り付けや具材の配置など細部までこだわった

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 同協議会が2016年、魚食離れを食い止めることを目的に立ち上げたプロジェクト。どうすれば島の人に魚を食べてもらえるかを考えた結果、魚食の欠点をカバーし、長期保存できる「漬け」のレシピ本開発にたどり着く。試作に約1年を費やし、ようやく配布開始にこぎ着けた。

 レシピを開発した川東繭右(まゆう)さんは、水産庁が任命する「お魚マイスター・お魚かたりべ」。人々に魚食の楽しさを伝えるなど、魚食普及のために活動する。「魚を寝かせることで旨味がアップし、取れたてとは違ったおいしさや食感の変化を楽しめる。魚の隠れた魅力を引き出せる調理方法として『漬け』に注目した」と話す。

 材料は全て島内で手に入るもののみを選定するなど、離島ならではの事情も考慮した。デザイン・撮影を手掛けた島在住のデザイナー田宮光さんは「もともと魚を買う機会が少ない移住者の若年層が魚を購入するきっかけにしたい。まずは興味を持ってもらうために、おいしそうなビジュアルにこだわった」と自信を見せる。

 いずれはこのレシピを活用した料理教室の開催や、漬けを商品化して島外で展開することも視野に入れているという。島内の飲食店や宿と連携し、メニューに取り入れてもらいたいとも。川東さんは「屋久島を訪れる人に、魚を食べることも旅の楽しみの一つにしてほしい」と島外へのアピールとしても期待を寄せる。

 同レシピ本の配布は限定1000部で、無くなり次第終了。島内のスーパーや鮮魚店などの配布店で魚を購入すれば、一人1冊まで無料で入手可能。同プロジェクトに関する情報は「屋久島おさかなnet」で発信する。

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