屋久島で1月7日、南九州の正月行事「七草祝い」が行われた。
重箱に集まった「七種雑炊」。炊き込みご飯風からちらしずしまでバラエティー豊か
「七草祝い」は、数え年で7つになった子どもが盛装して7軒の家を回り、「七種(ななくさ)雑炊」をもらう行事。屋久島では七五三をせずに七草祝いだけ行う家庭も多く、当日は晴れ着に身を包んだ子どもたちの姿で華やいだ。
集落によって「どっし」や「どっす」「ずし」などと呼ばれる七種雑炊の具は、一般的な「春の七草」とは異なり、かまぼこや干しシイタケ、ニンジンやゴボウなど、色鮮やか。近年は多様化が進み、ちらしずしや一般的な七草がゆを作る家もある。
この日は朝から各集落の神社や寺で祈願を受けた後、事前に約束していた7軒を親子で訪問する。長時間かかるため、着慣れない着物やはかま姿にぐずる子どもたちの様子も毎年の風物詩となっている。
これから親戚の家を訪れるという濱田芽(めい)さんは、「今年は持久走を頑張りたい」と元気に抱負を述べた。
一つの重箱に少しずつ詰められた七種雑炊は、自宅に持ち帰って家族で食すほか、夜に親族友人で集まって宴会をする際に出す家もある。