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屋久島で「祝い申そう」 小雨に負けず福の神を招く

玄関先でお祝いの歌を歌う子どもたちと青年団

玄関先でお祝いの歌を歌う子どもたちと青年団

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 屋久島町で1月7日、伝統行事「祝い申そう」が行われた。

春牧福祉館での練習風景。多くの子どもたちが集まりにぎやか

 「祝い申そう」は子どもたちが集落の家々を訪ねて玄関先でお祝いの歌を歌い、福の神を招く行事。他にも「門(かど)祝い」「くせもんいい」「くさいもん」など呼び方が異なり、歌詞も集落によって異なる。船主の家、井戸のある家、一般の民家で歌詞を歌い分ける集落もあるという。いずれも「その家が裕福であるように」という願いが込められている。

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 当日は小学校1年生から中学校3年生までの子どもが参加。福の神の使いとなり、家々に祝いの歌を届ける。同日に行われる伝統行事「鬼火焚(た)き」で悪霊を払った後、「祝い申そう」で福の神を招く。行事は一度途絶えたが、1997年に復活した。子どもたちは歌い終わると家主からお礼のお年玉やお菓子を受け取る。子どもたちが一番楽しみにしている年中行事という。

 春牧集落の「祝い申そう」は開始前、春牧福祉館に子どもたちと青年団が集まり、歌の練習やグループ分けを行う。盛久神社でお参りをしてから出発する。昨年は雨天で中止だったこともあり、今年は小雨だったが行事を決行した。子どもたちは雨に負けず元気な歌声を届けた。

 地元住民は「今年の子どもたちは声が大きくて元気。これがあると一年が始まった気がする」と話す。もらったお年玉は行事の最後に子どもたちで分配し、残りは育成会や青年団の活動費として使う。

 春牧区長の外薗正流さんは「春牧区は自身も含め移住者が多いが、受け入れる温かさがある。トビウオ祭りなど独自の行事があり、区民が積極的に参加している。屋久島の中でも最も住みよい集落」と笑顔を見せる。