屋久島町の「竃(かまど)カフェAperuy」(屋久島町安房、TEL 080-8588-5288)で12月1日~4日、「うさとの服展」が開催された。
デザイナー・さとううさぶろうさんが手掛けるブランド「うさと」の服はタイ・チェンマイを拠点に作られる。現地に暮らす女性たちが手紡ぎ、手染め、手織りで丁寧に作った布地を使い、さとうさんがデザインする。「作り手の暮らしの向上」を目指した服作りはノルマや納期がなく、布地のデザインも作り手に委ねられている。機械で大量生産される服とは異なり、同じ形、デザインのものはほとんどない。主催者の布川晴代さんは「一期一会の出会いの服」という。
布川さんとさとうさんの出会いは2012年夏。布川さんが当時勤務していた宿「送陽邸」で、宿泊客として訪れたさとうさんから贈られた本「あいをよる おもいをつむぐ」を読み、さとうさんの服作りへの姿勢に深い感銘を受けた。「自然と暮らしに寄り添った服作りが、屋久島にも馴染むと思った。」展示会の開催を志すも、屋久島では機会がなく、5年越しに実現にこぎ着けた。
会場では食事の提供も行った。小さな子どもや赤ちゃん連れの母親の姿も多く、ゆっくりと食事と会話を楽しみながらくつろぐ様子も。11月27日~28日には同会場でうさとの服に関するドキュメンタリー映画「つ・む・ぐ」の上映会も開かれた。
布川さんは「服だけではなく、自然、暮らし、命について考えるきっかけにしてほしい。今後は年に3回くらい、季節ごとに開きたい。ワークショップや座談会なども同時開催できると、より深められるのでは」と話す。