屋久島出身の俳優、山下万希(ばんき)さんの初主演映画「つ。-tsu-」が10月18日から20日の3日間、「屋久島ジェラートそらうみ」(屋久島町麦生)で上映された。
上映会は1日1回、閉店後の同店内で行われた。山下さんも上映後に舞台あいさつに立ち、観客と交流した。
同映画は「佐賀映画制作プロジェクトチーム」による87分の作品で、全編を佐賀県内でロケ。映画人と地元の学生、佐賀にゆかりのあるスタッフで作り上げた。撮影は2022年。2023年には世界11カ国の映画祭を巡り「ARFF Paris International Awards」の最優秀作品賞をはじめ10冠を獲得した。日本では、2023年11月から劇場公開されている。
山下さんは当時通っていた佐賀大学の学食で監督と出会い、オーディションに参加。将来に悩む高校3年生の主役、副島祐樹を演じた。タイトルの「つ」は佐賀の方言で「かさぶた」のこと。「傷を負うことがやがて新しい自分を作る」というメッセージが込められているという。
山下さんは第59回九州高等学校演劇研究大会優秀賞、第8回全国学生演劇祭大賞・審査員最優秀賞、第9回全国学生演劇祭大賞・審査員賞などを受賞。
学生演劇でもキャリアを重ねているが、カメラの前で演じるのは今回が初めて。山下さんは「カメラ前の演技もアクションも、丁寧に指導してもらったのでやりやすかった。今後も、所属劇団のある福岡と実家のある屋久島を拠点に、さまざまなジャンルに挑戦していきたい」と意気込んだ。
山下さんはこの映画をきっかけに、4月からNHK佐賀放送局の「SAGA SOUL-さが魂-」のナレーションを担当している。