会員制倉庫式総合スーパー「コストコ」の一部商品を販売するコストコフェアが11月10日、スーパー「ライフセンターヤクデン」(屋久島町宮之浦)で開催された。
コストコは、倉庫店と呼ばれる大型の倉庫に、パレットにのったままの商品を並べて販売することで、コストを徹底的に抑えた会員制スーパー。鹿児島県に倉庫店はなく、コストコから商品を仕入れて再販するトレーダーマートという店舗がある。しかし商品の単位が大きく、船の運賃を払って屋久島から買いに行くのは現実的でない。公式の会員限定オンラインショップがあるが、実店舗とは商品構成が異なり、送料込みの価格設定になっている。
ヤクデンのコストコフェアは今回が2回目。前回6月のフェアではパンが早々に売り切れたため、今回はパンを主にして構成し、前回の倍の量を準備した。ベーグルやピザ、菓子類、のりなどの食料品とトイレットペーパーなどの生活用品、合計19商品が並ぶ。倉庫店が扱う商品を小分けしないでそのままの包装で販売する。マスカルポーネロールは1袋36個入りだが、冷凍保存しておいて短時間で自然解凍できるので、冷凍設備が充実している屋久島の家庭での人気が高い。
ヤクデンは、スーパーの協業組織であるCGCグループに加盟しており、同グループが開発した商品も販売している。店長の田中宝久(たかひさ)さんによると、コストコ商品はシージーシー(CGC)南九州センター(鹿児島市)が一括して仕入れ、同センターに加盟するグリーンストア(奄美市)や福利商店(喜界町)などの離島スーパーがこの週末に2回目のコストコフェアを開催する。「離島のスーパーが協力し、大型店舗にはない商品を提供することで離島の活性化につなげたい」と話す。
この日は買い物に訪れた主婦らが、店舗の一角に設けられた特設コーナーで商品を選んでいた。コストコ商品を買うために来店し、両手に商品を抱えて駐車場に向かっていた女性客は、「大家族なので量が多いのはありがたい」と話していた。登山を終えてお土産を買いに訪れた観光客は、「屋久島でコストコ商品が買えるとは」と6個入りのベーグルを記念に買っていた。