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屋久島の素材を生かした新メニューの試食会 改良への意見も求め

「お食事処 樹(いつき)」の料理を試食する参加者

「お食事処 樹(いつき)」の料理を試食する参加者

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 屋久島の素材を生かして島内の飲食店が考案した新メニューの試食会が11月8日、役場フォーラム棟(屋久島町小瀬田)で開催された。

試食前に、試食会の趣旨を説明する梛木さん

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 鹿児島県屋久島事務所が開いた試食会で、「屋久島の新たな魅力ある食の開発・発信」事業の一環。屋久島の食材を活用したメニューを開発し、島内の飲食店で提供する。屋久島の食の魅力を島民や観光客に広く認知してもらい、観光にも貢献することが狙い。この日は島内の8店が独自に開発した新メニューを披露し、試食した島民が改良のための意見をアンケートで伝えた。

 開発では、鹿児島県在住の食育日本料理家の梛木春幸(なぎしゅんこう)さん監修の下、島内の飲食店15軒ほどが集まって事前に打ち合わせを行った。共通のテーマは、屋久島の魚介類、牛、かんきつ類、野菜、杉の全てを素材として活用すること。素材ごとに作った料理を組み合わせて1つのメニューにまとめた飲食店が多い中、素材を焼肉の材料としてセットにした「焼肉れんが屋」(屋久島町安房)や、素材ごとのカレーを用意したカレー茶房「ハイビスカス」(小瀬田)など、店の特性を反映した工夫が見られた。「寿しいその香り」(安房)は、牛肉がすしネタになりにくいので、前菜になるミートボールを試作した。

 ほとんどの店は、現在ブランド化を進めている「縄文牛」を使った。屋久島では、繁殖用の母牛を飼育し、子牛を産ませて市場に出荷する繁殖農業が行われてきたが、出産の役割を終えた母牛は、肉質や風味が劣るといわれ低価格で取引されている。しかし屋久島のかんきつ類や焼酎の搾りかすなどを発酵させて作った飼料を半年にわたり与えると、嫌みがなくあっさりと脂がのった肉になるという。昨年12月から縄文牛の販売を始めているれんが屋のスタッフは「観光客は屋久島ブランドの肉を望み、食べやすい縄文牛が好評」と話していた。

 アンケートでは、店ごとに色味(彩り)、ボリューム(品数)、盛り付けの3項目について、満足、不満足、どちらでもない、のいずれかを選んでもらい、その他意見を自由に書いてもらう。当初は50人分の試食を予定していたが、配布・回収したアンケート用紙は60通になった。アンケートの意見を踏まえて各店がメニューを改良し、11月末に予定されているお披露目会で発表する予定。

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