屋久島最北端の一湊区でボランティアが運営する「屋久島えがおん野」のコスモスが見頃を迎えている。
「屋久島えがおん野」は一湊集落の外れ、県道に面した1600平方メートルの花畑。9月初めに種をまいたコスモスが10月中旬から開花し始め、10月24日現在、約8割が花を咲かせている。残りの花芽も次々と開花し、10月末には満開の見込み。畑にはコスモスの淡い香りが漂い、ホウジャク(蜂雀)やツマベニチョウが蜜を求めて飛び交っている。
運営しているのは、一湊区のボランティアグループ「屋久島はまゆう会」。10人余りのグループで、メンバーは全員60歳代。コロナ禍の2020年、地域の人が見て笑顔になれるようにと「えがおん野」をオープンし、春は菜の花、夏はヒマワリ、秋はコスモスを植えてきた。
今夏のヒマワリが終わった畑を、はまゆう会のメンバーが地域の婦人会、小学校の教員ら20人ほどの協力を得て種まきをした。ヒマワリは一粒ずつ手作業で植えたが、今回は手動の種まき機を使い、1日で終えた。はまゆう会代表の寺田太久己さんは「慣れない種まき機に最初は手こずったが、次第にこつをつかんで広大な畑でも効率よく作業できた」と話す。
混合種子をまいたので、白、ピンク、赤を基調に、さまざまな色のコスモスが咲き乱れている。夏の種子がこぼれたヒマワリの黄色い花も所々に顔を出す。ヒマワリ同様、コスモスもおおむね南を向いて咲く。畑には駐車場や散策路が整備されているので、「北側の県道からではなく、車から降りて南側からゆっくり眺めてほしい」と寺田さん。近隣の宮之浦区から写真を撮りに来たという女性は、「近くにこんな広いコスモス畑があって素晴らしい」と、スマホ片手に園内を散策していた。
11月中旬まで楽しめる。