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屋久島の空の玄関口・長峰区 70周年を記念する式典とフリーマーケット

会場の長峰生活館。シンボルツリーはセンダンの巨木

会場の長峰生活館。シンボルツリーはセンダンの巨木

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 長峰区創立70周年を記念する式典とフリーマーケット「掘り出し市」が9月23日、屋久島空港近くの長峰生活館(屋久島町小瀬田)で開催された。

感謝状と記念品を受け取る泊さん(中央)

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 長峰区は屋久島に17ある行政区の1つ。隣接する小瀬田区の一部だったが、1953(昭和28)年、住所表記は「小瀬田」のまま独立し、今年で70周年を迎えた。2006(平成18)年発行の「上屋久町長峰区郷土史 あしあと」によると、「山岳島である屋久島の中で、最も広い平野部と、なだらかな丘陵地に恵まれている」という。このため、空港や町営牧場が設置され、近年は比較的大型の商業施設や役場の新庁舎が立つなど、人口減少が進む屋久島ににぎわいをもたらしている。

 掘り出し市は、秋分の日に行われていた長峰神社の大祭に合わせ、1991(平成3)年に始まった。新型コロナ感染症のために中断されていたが、4年ぶりの開催となった今年で30回目を迎えた。10年前の60周年記念と同様、会場に臨時の野外ステージを設置し区民の踊りや音楽を披露する予定だったが、開始時の予報は雨。区では早朝にステージの中止を決めたものの、予報に反して雨は降らず、衣装や楽器を身に着けステージに立つグループもあった。

 第1回から出店してきたという無農薬野菜栽培農家の楠忠久さんは、今回も自ら栽培した無農薬野菜を販売。長峰区創立時は中学生だった楠さんも現在は86歳。船大工の父親が、「戦後の食糧難でも農地があれば食べ物に不自由しない」と、枕崎から国の直営開拓地だった長峰に一家で入植した。瓦も畳も入手できなかった当時の粗末な自宅の写真が「あしあと」の表紙を飾っている。

 掘り出し市に先立ち、70周年記念の式典が執り行われた。町長や県議会議員らの祝辞の後、1988(昭和63)年から34年間、長峰区の区長を務めた泊圭一郎さんに区から感謝状が贈られた。やはり農地を求めた父親が、「屋久島は神様の住むところだから大きな災いのない島」と叔母から後押しされ、鹿児島市内の理髪店を閉めて入植した。当時、泊さんは小学5年生。以来、屋久島、特に長峰区の発展に尽力し、昨年の春の褒賞では藍綬褒章を受章した。

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