屋久島町歴史民俗資料館(屋久島町宮之浦)で9月15日、1歳~4歳の保育所園児が稲刈りを体験した。
同館の中庭には、縄文時代から続く網代編みで作られた小さな小屋がある。口永良部島で取り壊されそうになっていた民家を移築し、イベントや展示に活用している。
同館の黒飛淳さんが4年前、小屋を古民家らしくしようと、畳2枚ほどの空きスペースで稲作を始めた。今年は台風の被害もなく順調に成長。稲刈りの体験をしてもらおうと近くの保育所「マンマハウス」に声をかけた
参加したのは、1歳から4歳までの園児9人。園児の身長より丈が高い稲穂を安全に刈り取れるように、通常の鎌より小さくより安全な「のこぎり鎌」と、稲や鎌で手を傷つけないよう小児用の軍手を用意した。黒飛さんとスタッフ1人が園児一人一人の手を支えながら、刈り取りを指導した。刈り取った稲は、園児が小屋の前に運び、付き添いの保育士がシュロひもで束ねた。園児は重そうにしたり途中で転んだりしながらも、何とか運び終えた。
束ねた稲は、稲架(はさ)と呼ばれる横木に掛けて干す。園児たちが自分で掛けられるようにと、高さ80センチほどの稲架を黒飛さんがあらかじめ用意した。悪戦苦闘しながら稲架掛けの作業が終わると、園児たちは稲をのれんのようにかき分けて横木の下を行ったり来たりして遊び始めた。
今回の稲刈り作業は40分ほどで完了した。1週間ほど干した後、資料館所蔵の千歯(せんば)と呼ばれる伝統農具を使って園児が脱穀する予定。