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屋久杉自然館で日本の世界自然遺産特別展 展示に合わせた講演会も

国内の世界自然遺産地域を紹介する展示ブース

国内の世界自然遺産地域を紹介する展示ブース

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 屋久杉自然館(屋久島町安房)では、屋久島の世界自然遺産登録30周年を記念して、国内の世界自然遺産5地域を取り上げた特別展が7月20日から開催されている。

小笠原諸島の環境保全への取り組みを紹介するパネル

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 今回の特別展「列島縦断!日本の世界自然遺産ものがたり」では、2021年までに国内で世界自然遺産に登録された5つの地域についてパネル展示する。テーマは「世界自然遺産と人々の暮らし」。5地域全体のブースと、期間限定で地域を1つずつ取り上げるクローズアップ展示のブースに分かれている。

 全体のブースでは、壁一面に木製の巨大な日本地図を掲示し、地域ごとの自然遺産保護活動などを紹介。「一度も陸続きになったことがない」小笠原諸島のパネルでは、外来種の侵入を防ぐためのさまざまな取り組みを展示している。

 クローズアップ展示で最初に取り上げるのは、屋久島と同時に登録された白神山地。ブナ林に加え、屋久島を南限とするスギの北限となる自然林が、自然遺産地域周辺に点在することを紹介している。白神山地で狩猟するマタギのコーナーでは、多数の写真と共に衣服や道具も展示する。

 7月25日には、クローズアップ展示に合わせた講演会「白神山地~マタギのお話~」で、マタギの歴史や狩猟道具の変遷、山での生活などが紹介された。講師は、白神山地の伝統的な生活文化と、その基盤となる自然を保存・伝承する「白神マタギ舎」(青森県西目屋村)代表の工藤茂樹さん。自身も現役のマタギである工藤さんは、仕留めたクマを背負い深夜までかかって下山した経験や、マタギならではの知恵などを披露。自身や同行者が撮影した写真を見せながら、白神山地の雄大な自然を紹介し、会場に集まった100人以上の聴衆を魅了した。

 クローズアップ展示は今後、屋久島(9月)、小笠原諸島(10月)、奄美大島・徳之島(11月)、知床(12月、1月)、沖縄県北部・西表島(2月)と続く。展示に合わせた講演会も予定する。

 開館時間は9時~17時。第1火曜休館。特別展は来年3月20日まで。現在、「あなたが選ぶ屋久島・口永良部島写真コンテスト」も行っており、入館者による投票を受け付けている。投票締め切りは8月20日。

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