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屋久島で日産EV試乗会 国・県・町から補助金、ガソリン車並みの価格に

火之上山埠頭に開設された特設ブース

火之上山埠頭に開設された特設ブース

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 宮之浦港の火之上山埠頭で7月8日・9日、日産電気自動車(EV)の試乗会が開催された。

丸太で作った日陰で商談会

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 埠頭に開設された特設ブースには日産自動車のEV「リーフ」、「アリア」と軽EV「サクラ」の2タイプ計4台が用意された。希望者は1キロ程離れた高台にある宮之浦体育館まで自分で運転し、エアコンを起動した状態での上り坂走行などでEV性能の向上を体感した。

 水の豊富な屋久島では、電力のほとんどが水力発電で賄われている。この特徴を生かして、CO2排出量を削減するために、鹿児島県や屋久島町がEVの普及促進を進めている。島内には無料で使える高速充電設備が4カ所、公開されている普通充電設備が11カ所あり、タクシーとレンタカーの一部にもEVが使われている。現在、屋久島のEV普及率は2%弱。日本全体の0.88%と比べると高いが、町は10年後に10%とする目標を立てている。

 本年度から、屋久島町は新車のEV購入に対して、車種に関係なく1台当たり55万円の補助金支給を開始した。個人や個人事業主の場合は1台、法人の場合は2台までが対象で、レンタカーやタクシーも含まれる。本年度の目標は79台。屋久島町からの支援とは別に、国と鹿児島県からも補助金を受けることができる。軽自動車の場合はそれぞれ55万円と20万円が上限。三菱自動車と共同開発したEVで本体価格254万8,700円のサクラは補助金合計が132万円と、ほぼ半額となり、ガソリン車並みの価格で購入できる。

 特設会場の丸太で作った日陰で商談会が行われた。試乗会初日にサクラの購入を決めた住民女性は、「長年使ってきたガソリン車を買い替えたかったが、半導体不足の影響で新車の納入に時間がかかり、その影響で中古車の価格が高くなっている。補助金を利用してEVを購入することも考え、今年1月に町が主催したEV試乗会に参加した。当時は町の補助金がなかったのでいったん諦め、今日の試乗会を待った」と話した。

 サクラは「排気量」の概念がないEVを、あえて軽自動車規格のボディサイズにすることで軽自動車の優遇制度を受けられるようにした。発売された昨年度は、「日本カー・オブ・ザ・イヤー」と「K CAR オブ・ザ・イヤー」を受賞。前出の女性は「1月に試乗していたので、迷わずサクラを購入した。早ければ7月中にも納車される」と続けた。

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