屋久島最北端の一湊区でボランティアが運営する「屋久島えがおん野」のヒマワリが現在、見頃を迎えている。
「屋久島えがおん野」は、一湊集落の外れの県道に面した花畑。敷地面積は1600平方メートル。4月末に種を植えた2万株のヒマワリが見頃を迎えており、7割が花を咲かせている。残りの株も続々と開花しそうで、7月いっぱい楽しめる。畑には狭い通路があり、県道を通りかかった住民や観光客が、畑の中で写真を撮影する姿も見られた。
運営しているのは、一湊区の同級生10人余りのボランティアグループ「屋久島はまゆう会」。一湊海岸で白い花を咲かせるハマユウにちなんで名付けた。3年前、新型コロナウイルス感染症による影響が広がる中、地域の人が見て明るい気持ちになれる物を作りたいと、休耕地を無料で借り受けて整地し、ヒマワリを植えた。「えがおん野」は、「笑顔になる野原」という意味。種代などの経費は、PALTEK会長で一湊出身の高橋忠仁さんが「地域の活性化のために」と提供してくれた。
1年目は大成功を収めたものの、2年目の昨年は不作だった。原因は、1年目に収穫した種を使ったこと、鳥害・水害で種が流出したことなどで、今年は昨年の反省を生かし、種は購入。地域の婦人会や小学校の応援を得ながら一粒ずつ丁寧に植えた。同グループ代表の寺田太久己さんは「種植えはつらかったが、そのかいがあった」と話す。
ヒマワリのほか、秋にはピンクや紫のコスモスを植え直す。以前植えた分の種が落ちて自生している株もあり、一足早く咲いているコスモスも見られた。反対に秋は、コスモスとコスモスの間から季節外れのヒマワリが咲くこともあるという。「ヒマワリとコスモスのコラボレーションが面白い」と寺田さん。春には菜の花も植えており、食べ頃になるとホームページで告知する。花は、住民が持ち帰って料理に使うことができるようにしている。