子どもたちに無償で食事を提供する地域食堂「ほんわか」が、5月13日、屋久島町総合センター(屋久島町安房)にオープンする。
提案したのは、屋久島で小学校教諭を長年勤めてきた木原裕子さん。屋久島の小中学校では第2土曜の午前中も授業があるため、給食に代わって児童に無償で昼食を提供しようと3年前から準備を進めてきたという。新型コロナウイルス感染拡大防止のために実現が遅れたが、その間も昼食を食べながら住民が気軽に交流できる場をつくろうと、構想を広げた。木原さんは「子どもを中心とした地域の人たちに屋久島の食材を使った食事を提供し、居心地の良い場所、安心できる居場所を作りたい」と話す。
営業日は月1回、第2土曜のみで、毎回100食を用意する。高校生以下無料、大人は300円で利用できる。売り上げは次回の食材費に充て、調理や会場設営、当日の運営などは、島内各所から集まった約20人のボランティアで分担する。総合センターの調理場や大会議室の料金は屋久島町が負担する。
4月15日は約50人の地元住民を招いてプレオープンを行った。アンケートの評価も上々で、夫婦で参加した男性からは「おいしかった。知らない人たちの中で食事をするのが苦手な家内も、今日は残さず楽しんで食べていました。ありがとう」などと感謝の言葉もあったという。
プレオープン時のメニューは、無農薬野菜を使った鳥南蛮と春野菜の煮物、ポテトサラダ、カメの手のみそ汁とご飯。鶏肉、米、調味料は購入したが、他の材料はほとんどが島内外の協力者による寄付で、沖永良部島や種子島、和歌山からも届いたという。
営業時間は第2土曜=12時~14時。子どもだけの利用も可。問い合わせは木原さん(TEL 090-5729-7401)まで。