屋久島環境文化村研修センターで3月7日、森の演奏会が行われ、間もなく卒園を迎える安房保育園の園児19人が参加した。
鹿児島県木育インストラクター、子育て支援tetote(てとて)代表の日高ゆかりさんが、昨年9月から同園で行う「次世代の屋久島の森林・林業を守り育てる体験活動」の一環。ヤクスギランドで木に触れ親しむ体験、林業の現場で木の伐採見学、植栽体験、木工体験など、これまでの活動内容をスライドショーとクイズで振り返った後、制作したカスタネットを使い「山の音楽家」を演奏した。
カスタネットはミヤコダラ、タブ、センダン、イスノキなど、全て屋久島産の木材で作られ、園児たちがヤスリがけや塗装をして仕上げた。2回目の演奏では観客の大人たちもカスタネットを手渡され演奏に加わり、会場は温かい拍手に包まれた。
日高さんと共に木育インストラクターとして活動するウッドショップ木心里の店主・鹿島裕司さんが、屋久島高校吹奏楽部の松崎亜樹さんと作った地杉の木琴も披露され、松崎さんが演奏会の伴奏を務めた。松崎さんは「音階を作るのが難しく、苦労した。楽器の職人になるのが夢で、この木琴を作った経緯を資料にまとめ、楽器の製造会社に送ったところ就職が決まった」と発表した。
同園の職員は「木育を通して循環を学ぶことにも挑戦した。園でコンポスト作りも体験したので、木を植える時に土の中の小さな生き物や、自分たちが食べた物のことも想像しながら取り組んでいた。リサイクルという言葉が子どもたちに浸透したことも成果の一つ」と話した。
日高さんは「カスタネットは2つの皿を合わせることで音が出る。カスタネットのように保育園の友達や、小学校の新しい友達とさまざまな音を奏でてほしい」、鹿島さんは「40年後、一緒にみんなが植えた木を見に行きたい」と園児たちへメッセージを送った。