屋久島と口永良部島の小中高校生を対象とした詩のコンクール「オリオン三星(みつぼし)賞」の授賞式が10月8日、屋久島町役場本庁舎(屋久島町小瀬田)で開催された。
「オリオン三星賞」は屋久島に暮らし、2001(平成13)年にこの世を去った詩人・山尾三省(さんせい)の業績を記念して創設された。山尾の愛したオリオン座のベルト部分に当たる3つの星が「三星(さんせい)」とも読めることにちなんで名付けられた。島内外の山尾ゆかりの人々や読者によって運営される「山尾三省記念会」が、屋久島町の助成を受けて毎年開催しており、今年で17回目となる。
今年の応募作品数は849点。この中から2次審査を通過したノミネート作94点が、毎年発行されている詩集「星座」に収められた。授賞式では、小学校低学年、高学年、中学生、高校生の4分野からそれぞれ、最優秀作1点、優秀作2点、佳作3点ほどが表彰され、受賞者は参加者の前で自作の詩を読み上げた。
小学校低学年の最優秀作は小瀬田小学校2年、富永しょうさんの「入どう雲」。何気ない家族の会話をユーモラスに表現した。
「日曜日/お父さんのそうこから/入どう雲が見えた/でっかいアイスだ/食べてえなあ/すると、父ちゃんが/「入どう雲だぞ」/と、言った/家にかえって、母ちゃんに話したら/「入どう雲は水だよ」/と言った/「ええ」/ってなった」
小学校高学年の最優秀作は、一湊小学校5年、木村有里(ゆり)さんの「海遊び2」。2020年に佳作を受賞した「うみあそび」の続編となる疾走感のある作品。
詩集「星座」は、掲載者と記念会の会員、町営図書室と各学校に配布されるほか、「椿(つばき)商店」(屋久島町宮之浦)や「一湊珈琲(コーヒー)焙煎(ばいせん)所」(屋久島町宮之浦)で販売される。価格は550円。