リゾートホテル「縄文の宿 まんてん」(屋久島町小瀬田)で10月9日、宿泊客に屋久島茶の魅力を紹介する無料講座が開かれた。
講師は、島内でお茶の有機栽培を手がける「屋久島八万寿茶園」(屋久島町小瀬田)の渡邉桂太さん。この日の宿泊客を対象に夕食後の1時間、屋久島茶の魅力を知ってもらおうと、資料を使って屋久島茶を紹介した。
鹿児島県は、今年の一番茶(荒茶)生産量が静岡とほぼ同じで、両県合わせると国内生産量の8割以上を占める。屋久島には16の生産農家(経営体)、7つの工場があり、約16種類の品種を生産している。作付面積と生産量ではタンカンなどのかんきつ類に及ばないが、生産額はトップで、島の重要な産業になっている。温暖な気候を生かして早生品種を導入しており、日本一早い新茶「走り新茶」の産地。
屋久島茶の紹介が終わったところで、「利き茶大会」が行われた。80グラム1,080円の屋久島茶、100グラム500円の屋久島茶(露地栽培)、昨年の日本茶AWARD2021で日本茶準大賞を受賞した長崎県の「そのぎ茶」、市販のペットボトル入り緑茶のどれであるかを当てるもの。正解者には八万寿茶園のソフトクリーム券がもらえるとあって、参加者たちは真剣に飲み比べていたが、全銘柄を当てたのは10人ほどの参加者のうち1人だけだった。
宿泊客に屋久島の魅力を紹介する「まんてん」の無料講座は、今回が3回目。これまでには「本坊酒造・屋久島伝承蔵」による屋久島焼酎の紹介や、屋久島環境文化研修センターのインストラクターによる「五感で感じる!屋久島の魅力!」が開催された。「まんてん」を経営するエーエフマネジメント(横浜市)の社長で、無料講座を企画してきた計屋(はかりや)卓摩さんは「少しでも屋久島の魅力を伝えられるよう、島内のさまざまな事業者との共同企画を推進している。今後も魅力ある講座を通して情報発信していきたい」と話す。