屋久島で6月11日・12日、地元ゆかりの詩人・山尾三省さんを知るツアーが行われた。
白川山の公民館に移動して山尾三省さんのドキュメンタリー映像を鑑賞する参加者
屋久島に暮らし2001年に逝去した山尾三省さんの言葉を後世に伝えようと活動する「山尾三省記念会」が企画した。屋久島町の小中高生を対象にした詩のコンクール「オリオン三星賞」のPRを兼ね、島に赴任したばかりの教育関係者にも山尾三省さんのことを知ってもらおうと、昨年初めてこのツアーを開催した。今年は日数を増やし、一般参加者にも枠を拡げた。
当日は、山尾さんの9人の子どもたちが通った一湊小学校に集合。記念会前代表の兵頭昌明さんが、山尾を一湊川上流の白川(しらこ)山に招いた経緯や、山尾さんが移住した当時は廃村となりかけていた白川山の歴史を説明した。その後、白川山に移動し、山尾さんが書斎として使っていた「愚角庵」を見学。山尾さんの著作物に表紙写真を提供し、共著出版経験もある写真家の山下大明さんは「初めての写真集を出版する時に、解説文を寄せてもらった。自分では思っていなかった角度で写真を評してもらってうれしかった」と振り返る。
白川山集落の公民館「やまびこ館」では、島での暮らしをまとめたドキュメンタリー映像や山尾さん本人の朗読に写真を添えた映像などを鑑賞。記念会の手塚賢至会長が「郷土ゆかりの詩人の作品をぜひ授業に取り入れてほしい」と参加した教員に訴えた。