夜の海の中にライトを沈め、集まってきた魚を観察するライトトラップ方式の集魚観察会が6月3日、一湊漁港(屋久島町一湊)で開催された。
軽トラックの荷台に設置されたスクリーンで、水中写真のスライドショーを堪能
一湊小学校のPTA文化研修部が主催する「木いちご会」のプログラムの一環として、水中写真家の堀口和重さん来島に合わせ企画されたイベント。この日の日の入りは19時16分。海辺に止められた軽トラックの荷台には大型スクリーンが設置され、日が陰り始めると、堀口さん自らこの日のために作成したスライドを投影。子どもたちの質問に答えながら、一湊湾の身近な生き物たちについて解説した。
解説後は、港に係留された「屋久島ダイビングリゾートDIVEANCHOR」の船の上からライトの周囲の小魚をすくい揚げ、水槽に移して魚種を調べ、じっくり観察してから海に放した。この日、確認できたのは、チョウチョウウオやアオリイカ、フサカサゴやヨウジウオなどの幼魚。参加した一湊小学校4年の青山洵之助さんは「知らなかった生き物をたくさん見られておもしろかった」と感想を述べた。作業中、灯りに釣られてウミガメやトビウオも登場。子どもと保護者は歓声を上げて、普段見られない夜の海を楽しんだ。
屋久島に2年間暮らし、現在、仕事で日本各地の海へ潜る堀口さんは、「屋久島の海の魅力は魚がのんびりしていて観察しやすいことと、急に深くなる地形なので、船を沖まで出さなくてもたくさんの魚を見られるところ」と他の地域にない屋久島の良さを語った。