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「教えて!白神山地」 屋久島の小学生に現地からオンライン授業

初めて目にするブナの実を食べてみる

初めて目にするブナの実を食べてみる

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 屋久島の子供達に白神山地(秋田県・青森県)について知ってもらおうと、秋田県の自然アドバイザーが12月20日、島内の小学校でオンライン授業を行った。

白神山地には野生のクマ(矢印2箇所)がいます

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 屋久島と同時に世界自然遺産に登録された白神山地。その自然を学ぶことによって自分たちが住む屋久島の魅力を再認識するきっかけになればと、白神山地世界遺産センター(秋田県藤里町)で自然アドバイザーとして活動する菅沼慶太さんが、屋久島の小学4年生を対象にオンライン授業を行った。授業には島内4つの小学校が参加。4校と菅沼さんとをWeb会議ツールZoom(ズーム)でつなぎ、教室に設置された大型ディスプレイとタブレットを使って双方向の授業を実施した。

 授業は、白神山地の場所、広さ、標高を屋久島と比較する3択あるいは2択のクイズで始まった。参加校の一つで安房小学校(屋久島町安房)では、30人の4年生が元気よくクイズに答えた。授業開始時の緊張感がほぐれたところで、菅沼さんが森と水の関係について解説した。解説では、ブナの落葉、小動物や微生物による分解で、できた土によりブナが成長するという循環や、地面に入った雨水が川に流れ、魚や水生動物を育んでいることなどを紹介。教室に用意した白神山地の水を児童が試飲した。感想を聞かれた児童らは「屋久島の水とは違う」と答えていた。

 白神山地には野生のクマがいると聞いて教室がどよめく一幕もあった。クマがサクラの実を食べてフンをするので、山にはたくさんのサクラが自生しているという。「クマと出会ったらどうしますか」という4択クイズに、元気な男子児童2人が「戦う」と答えて教室を沸かせた。教室には菅沼さん自ら山で拾ったというブナの実が用意され、「クマはブナの実も大好物。クマの気分になって食べて」と言われた児童らは、ソバの実を一回り大きくしたような実を珍しそうに眺め、茶色い皮をむいて淡泊な実を味わっていた。

 授業の後には質問の時間が設けられ、児童からの「白神山地にもシカがいますか」という問いに、菅沼さんは「100年前に絶滅したといわれていますが、最近また現れるようになりました。カモシカならたくさんいますよ」と答えるなどしてコミュニケーションを取った。最後に、菅沼さんに全員で感謝を表明してこの日の授業は終了した。

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