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屋久島でネコの定例譲渡会始まる 地区の活動家らが保護したネコ持ち寄る

譲渡会場で、小野さん(左から3番目)を囲む協力者たち

譲渡会場で、小野さん(左から3番目)を囲む協力者たち

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 保護したネコの里親を探すための定例譲渡会が屋久島で始まり、その1回目が11月27日に宮之浦地区で開かれた。

自作の定例譲渡会ポスターを示す小野さん

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 野放し状態だった野良ネコの問題を解決しようと、島内の多くの地域でボランティアチームが活動を始めている。活動には大きく2つあり、1つは野良ネコを捕獲(Trap)して避妊・去勢(Neuter)し、元の場所に戻す(Return)TNR活動。もう1つは、捨てられたネコや事故・虐待で負傷したネコを保護し、世話や治療をした上で家ネコとして飼ってくれる里親に引き渡す保護活動。

 従来、里親探しにはチラシを張り出したりSNSにアップしたりしていたが、いくつかの地域の保護ネコを集めて定期的に譲渡会を開き、里親との出会いの機会を増やそうというのが今回の狙い。27日の譲渡会には、島内3地域の活動チームが、11頭のネコを持ち寄った。

 定例譲渡会を始めたのは、屋久島に来て16年になる小野クリスティンさん。主婦として子育てをしながら活動し、これまで何度も島内一斉のTNR活動をボランティア仲間と共に成功させ、多数の野良ネコの避妊・去勢に貢献した。活動のきっかけは、4年前の運転免許証取得。島内を自動車で回るうち、野良ネコの扱いのむごさに驚き、子どもたちがこのような状況を見て傷つかないようにと、勉強始めた。

 活動には、治療費や輸送費、餌や飼育ケージの費用など、多額の経費がかかる。小野さんは英語やダンス指導の収入を充てたり、SNSで寄付金を募ったり、手作りグッズを販売したりと、さまざまな方法で活動資金を得る一方、大手ネット通販アマゾンの「みんなで応援」プログラムを使って必要な資材の寄付も募っている。最近は、島外からも支援の手が差し伸べられるようになった。

 里親希望者が現れたら、身元確認の上、ネコの飼育に適した家庭環境かどうか審査し、責任を持ってネコを飼育することを宣誓する譲渡契約書を交わす。65歳以上の高齢者の場合は、飼えなくなった場合の「後見人」も必要。

 定例譲渡会は今後毎月開く予定で、次回は同じ場所で12月25日11時~14時に開催。

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