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屋久島町の時報に民謡「まつばんだ」 伝統継承を目的、高校生が発案から演奏まで

屋久島高校の渡り廊下で「まつばんだ」の試験放送を聴く、吹奏楽部の3人

屋久島高校の渡り廊下で「まつばんだ」の試験放送を聴く、吹奏楽部の3人

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 屋久島町全域で流れる17時の時報が11月1日、「夕焼け小焼け」から屋久島民謡「まつばんだ」へと変更された。

時報に民謡の採用を提案した寺田雅さん。愛用のサックスとともに

 町に提案したのは屋久島高校の3年生、寺田雅さん。屋久島高校の普通科環境コースでは、授業の中で1人1テーマを掲げ、2年生から3年生にかけて「探究活動」を行っている。

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 寺田さんが選んだテーマは「屋久島の民謡」。中学から吹奏楽部に所属し、サックスに親しんできた寺田さんにとって音楽は身近だったが、「屋久島の民謡」は、存在は知っていても聴く機会はない遠いものだったという。

 「ただ調べるだけでなく、『伝承』するにはどのような方法があるか」を考えた寺田さん。活動の中間発表の際に集めた全校生徒へのアンケート結果を基に、「町の防災無線から流れる時報に、島の民謡を使ってもらう」というアイデアを思い付き、実現にこぎ着けた。

 担当の嶽釜将教諭の指導を受けながら、屋久島町役場向けのプレゼンテーション資料を準備した。屋久島を代表する民謡「まつばんだ」を自身で編曲し、吹奏楽部の友人たちと録音、8月に行われたプレゼンテーションに臨んだ。

 来年3月に卒業して進学のため島を離れる寺田さんは、「探究活動を通じて、住んでいても目に留めてこなかったものに気付くことができた」と話す。寺田さんの奏でる「まつばんだ」は、夕暮れ時のメロディーとして、この先も島民に伝えられていく。

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