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屋久島BLSプロジェクトがコロナ時代の一次救命処置勉強会

受講者間の距離を十分広く取った会場

受講者間の距離を十分広く取った会場

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 ウイルス感染防止に配慮したBLS(一次救命処理)勉強会が6月5日、屋久島町立小瀬田小学校(屋久島町小瀬田)の体育館で開かれた。

心臓マッサージの効果が目に見える訓練用のマネキン

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 講師は、鹿児島大学救命救急センターの救急科専門医で、屋久島徳洲会病院(屋久島町宮之浦)に非常勤で勤務する望月礼子さん。心肺停止に陥った傷病者に心臓マッサージ、人工呼吸、AED(自動体外式除細動器)を用いた除細動などを行うBLSを屋久島で広める活動「屋久島BLSプロジェクト」を進めており、今回の勉強会はその一環。

 勉強会には屋久島の山岳ガイド14人が参加した。屋久島の全ての登録ガイドは、およそ2年に1回、消防署や日本赤十字社が主催する救急救命講習会を受講してBLSを学んでいるが、今年は新型コロナウイルス感染防止のため4月以降講習会が開催されず、感染防止に配慮した講習会や勉強会はこれが初めて。

 厚生労働省が5月に発表した「新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえた市民による救急蘇生法について(指針)」では、新型コロナが流行している期間は全ての傷病者に感染の疑いがあるものとし、成人には人工呼吸を行わない、反応を確認する際に顔を近づけ過ぎない、心臓マッサージの前に鼻と口にハンカチなどをかぶせるなど、傷病者の呼気を浴びないよう指導している。勉強会ではさらに、心臓マッサージを交代する人は傷病者の頭側ではなく脚側で待機し、呼気を浴びないよう交代するなど具体的な感染予防策が指導された。

 密状態を避けるため、心臓マッサージ練習用のマネキン(人形)7体が広い体育館に点々と配置され、1体につき2人ずつが距離を保って練習した。使用したマネキン「ブライデン」(商品名)は、額や頸(けい)動脈などに脳血流を視覚化するLEDが埋め込まれ、心臓マッサージが正しく行われた場合は額が光る。セルフラーニングに適している上に、指導者が離れた位置からでも効果を確認できる。

 望月さんは、共に活動をしている榎田三隆さん、松永ふうまさんらと一緒に、ガイドを対象にした勉強会を6月中にあと4回計画しており、夏の水難事故に備えるための勉強会も開く予定。

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