鹿児島のJ.S.B.吹奏楽団が2月8日、屋久島離島開発総合センター(屋久島町宮之浦)で特別演奏会を開き、屋久島高校吹奏楽部、屋久島吹奏楽団との合同演奏も披露した。
J.S.B.は吹奏楽愛好家で構成された鹿児島市を拠点とする吹奏楽団。1975(昭和50)年に結成され、鹿児島県の各地で公演を続けているが、離島での講演は今回が初めて。屋久島高校吹奏学部顧問の橋口順一さんが楽団に所属していることから実現した。
当日は強風注意報が発令され海は大荒れ。予定していたフェリーが欠航したため、急きょ高速船に切り替えて来島した。「会場到着が遅くなり合同リハーサルの時間が足りなかった。使用する予定のハープが大きすぎて高速船に積めず断念した」と団長の松本賀典(よしのり)さん。トラブルにもかかわらず「屋久島のために音楽で何かできれば」と手弁当の演奏会を成功させた。
「セレブレイト」で始まった第1部では、京都アニメーション製作のテレビアニメ「響け!ユーフォニアム」の中で「北宇治高校」が演奏した自由曲「リズと青い鳥」と、屋久島の自然をモチーフにした「森の贈り物」が演奏された。第2部前半は、屋久島高校吹奏楽部と屋久島吹奏楽団が加わった合同ステージ。ハードロックバンドの「ディープ・パープル」のメドレーでは、エレキギターとドラムスを屋久島高校生が担当し、会場から大きな拍手が上がった。
第2部後半はJ.S.B.単独ステージに戻り、まず「もののけ姫ハイライト」。続く「ジャパニーズ・グラフィティ V ~ レコード大賞メドレー ~」の副題は「栄光の昭和50年代」。「北酒場」や「ルビーの指環」など懐かしい曲が次々と登場し、手拍子はもちろん、昭和世代の観客が口ずさむ様子も見られた。一転してアンコール曲はアイドルグループ「嵐」のメドレー。女子高校生たちが元気な手拍子で応援していた。
演奏後に舞台でインタビューを受けた屋久島高校吹奏楽部部長の内田美空さんは「大人の方たちと一緒に演奏でき、刺激があって良い経験になった」と話した。J.S.B.常任指揮者の東久照さんからは「良いところは積極的に盗んでほしい」と激励があった。吹奏楽部は3月7日に演劇部と合同の公演を予定している。