屋久島町の安房保育園(屋久島町安房、TEL 0997-46-3139)で2月3日、節分の豆まきが行われた。
昼前の和やかな雰囲気の園内に突然太鼓の音が鳴り響き、窓から赤鬼が現れた。驚いた園児たちは「悪い子は誰だ~!」と言いながら追い掛けてくる鬼の恐ろしい形相を見ると、泣き叫んで必死に逃げ回った。しばらくすると鬼はいなくなり、子どもたちは緊張した面持ちで手作りの鬼のお面と豆まき用の豆入れを身に着けた。
保育士の小脇佳奈さんは「今日は節分で、豆をまいて鬼を退治する日。豆には悪いものを追い払う不思議な力があり、年齢と同じ数の豆を食べると一年間病気をしない強い体になる。ヒイラギの小枝にイワシの頭を刺した『やいかがし』を家の前に飾ると、鬼が逃げていく」などと節分にまつわる話をした。
「寝坊したり、泣き虫だったり、食べ物の好き嫌いがあったり、怒りっぽい性格だったりと、実はみんなの心の中にもさまざまな鬼が隠れているのでは」と問い掛ける場面も。子どもたちは童謡「まめまき」を元気に歌い終えると、豆入れの中の豆をしっかりと握って鬼を待った。
再び太鼓の音が鳴り鬼が現れると、子どもたちは怖がりながらも鬼に向かって力いっぱい豆を投げつけた。鬼は「俺たちはみんなの悪い心を食べて強くなる。みんなが悪いことをしなければ、鬼はいなくなる。みんな友達と仲良く、好き嫌いをせず何でも食べ、先生の言うことをよく聞くように」と子どもたちと約束の握手を交わし、手を振って見送られた。