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いろりを囲んで山尾三省の詩の朗読会 お気に入りの詩集持ち込んで

展示品を紹介する手塚さん(右)

展示品を紹介する手塚さん(右)

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 山尾三省の詩の朗読会「そこに詩があった~詩人 山尾三省からの贈り物~」が11月23日、屋久島町歴史民俗資料館(屋久島町宮之浦)に併設されている網代(あじろ)小屋で開催された。

一番手の安部弥生さん

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 屋久島で創作活動を続けた山尾三省の詩を愛する人たちが、網代小屋にお気に入りの詩集を持ち込んで朗読した。例年この時期の網代小屋は寒く、中央に設置されたいろりに火を入れる案もあったが、今年は季節外れの台風が接近したせいか、汗ばむほどの暖かさの中での開催となった。

 「山尾三省記念会」会長の手塚賢至さんが簡単に三省の紹介をした後、生前の三省が島内放送の番組「山尾三省 詩の世界」で自らの詩「三光鳥」を朗読した声を再生し、会場の壁に展示された写真、書、詩集などの説明をした。

 会場の片隅には朗読する座があり、まず安部弥生さんが「樹心」を朗読した後、進行役の黒飛淳さんに促されて参加者が次々と登壇し朗読する。朗読に合わせて安部心也さんが伝統楽器ゴッタンを即興で奏でる。朗読の際に、三省の逸話を紹介する参加者もいた。高校生の黒飛海太さんは三省の詩を朗読後、会場からの要望に応え、屋久島町の小中高生を対象とした詩のコンクール「オリオン三星賞」の佳作に入選した自身の作品も朗読した。

 屋久島の人気バンド「ビッグストーン」メンバーの笠井廣毅さんと寺田文人さんは、この日のためにそれぞれ三省の詩に曲をつけ、会場でギターの弾き語りを披露した。笠井さんは「曲を付けるために作った詩ではないので苦労した」と話すが、会場からは「ブラボー」の声。写真家でビッグストーンのメンバーでもある山下大明(ひろあき)さんは、三省との共著「水が流れている」に収録の詩を朗読した。

 三省と親交のあった兵頭昌明(まさはる)さんが最後に登壇し、展示されている俳句などを指し示しながら三省との思い出に触れ、会場に並んでいた詩集からランダムに選んで即興で朗読し会を締めくくった。

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