屋久島町が現在、水耕栽培の実証研究に取り組んでいる。
廃校になった中学校の空き教室を利用し、サンチュやサニーレタス、各種ベビーリーフなど、生食用の葉物野菜を栽培する。「教室やさい」の名前で、2月2日に販売を始めた。
2013年に廃校となった旧小瀬田中学校(屋久島町小瀬田)の空き教室1室だけを使った小規模な施設で、棚に整然と並んだ苗を3色のLED電球が照らしている。種まきから最初の収穫まではおよそ20日間。昨年12月に棚作りを行い、提携する「クリエイト光」(熊本県宇土市)の逸見次郎博士が来島し、調整を重ねた。
屋久島町企画調整課の岩川卓誉さんによると「台風や害虫、鹿害や猿害のため、屋久島では露地で葉物野菜を育てるのが困難。町内における主要な葉物野菜消費量の95%以上が島外からの輸入に頼っている」という。そうした理由から、1年を通じて安定供給できる水耕栽培に着目。各地の業者を巡り、その中でも小規模で一般の島民も導入しやすいシステムを提案している業者を選定した。
太陽光発電や小水力発電の専門家でもある逸見博士は、環境と生産者へより負荷の少ないシステム作りのため、水耕栽培用の自家発電も模索中。
今後は、島内での需要を高めるほか、同事業を引き継ぐ島民を募集していく。
価格は70グラム180円。島内のスーパーや直売所などで販売する。