屋久島町にある農園「屋久島デフファーム」(屋久島町平内、TEL 0997-47-3677)が2月24日、「タンカンオランジェ」の販売を始めた。
2010年に兵庫県から屋久島へ移住した中村一郎さん・美代子さん夫妻が営む同農園。一郎さんは聴覚障害があり「障がい者にやさしい環境作りを目標としている」と話す。屋久島特産のタンカンをはじめ、パッションフルーツやトウモロコシ、葉野菜などを全て無農薬で栽培している。
美代子さんは2年前にローフードと出合い、栄養価が高くおいしいことに引かれ、ローフードマイスター準1級を取得。自身がスイーツ好きなこともあり、ロースイーツの販売を志すようになったという。2月に菓子製造業の資格を取得し、試作が好評だったタンカンオランジェを商品化、念願のスイーツ販売を始めた。
調理は全て48度以下の低温で行う。タンカンは低温でじっくり乾燥させるため時間がかかるが、「栄養を損なわず、きれいな色を保つことができ、味もおいしい」という。「素材はできるだけ最小限に、安全でおいしいものを選んでいる。将来は屋久島産カカオでローチョコレートを作ることが夢」と話す。
商品は通信販売も行う。袋入りの「タンカンオランジェRAW」(560円)のほか、贈り物用の「BOXタンカンオランジェRAW」(870円)も販売している。期間限定で島内のスーパーマーケット「しいば」(屋久島町安房、TEL 0997-46-2002)でも販売している。
中村夫妻は「今後は農業だけでなく商品開発もしていきたい。障がい者の雇用なども視野に入れている。今は水耕栽培に力を入れているところ」と意欲を見せる。