屋久島町の「船行」バス停で現在、背丈よりも高いサザンカ並木が満開の見頃を迎え、道行く人の目を楽しませている。
屋久島内では「白谷雲水峡」など、山間部で見られる白い野生サザンカの見頃が終わりを告げ、華やかな園芸種サザンカが、南国の里に遅い冬の訪れを告げている。
名物のサザンカは高さ約3メートル。バス停を中心に40本ほど植えられており、散り敷かれた花びらは歩道を桃色に染めている。照葉樹ならではのつややかな緑の葉と、桃色の花をぎっしりと付けた枝は、歩道に大きく張り出し、サザンカのひさしの下には、甘い芳香が立ちこめている。
12月中旬頃から、1カ月間ほど見られる景色で、毎年、SNSなどで話題となることから、車を降りて写真撮影する人も多い。
船行集落の藤山奉文区長は「町の『むらづくり活性化事業』をきっかけに、20年ほど前から毎年、沿道に少しずつ植えて手入れしてきた。サザンカだけでなく、集落の中にある樹齢700年と言われる船行神社の大杉も見どころの一つ。夏場にホタルが舞う公園も気持ちのいい場所」と話す。