11月8日・9日に開催された「第70回鹿児島県高等学校演劇祭 県大会」で県立屋久島高校・演劇部が最優秀賞を受賞した。
地区大会を合わせると県内の高校25校が出場した同大会。各地区大会を勝ち上がった代表校9校による九州大会出場枠を決める秋季大会で、同校の優勝は初となる。
演目の「屋久島高校、演劇部!」は顧問の上田美和教諭が書き下ろしたオリジナル脚本。演劇大会で審査員に酷評された部員たちが、屋久島をテーマにした新たな脚本作りに挑むというストーリー。「屋久島の等身大の生徒たちの姿を、自然に囲まれた島の生活とともに描きたかった」と上田さん。各所に屋久島ならではのネタがちりばめられ、上演中は観客から笑いが起こったという。
現在は部員13人の同部だが、2年前は存続も危ぶまれる状態だった。当初、唯一の2年生だった下川幸乃さんが「絶対に廃部にしたくない」と新入部員確保に奔走した4月、演劇コンクール常勝校の顧問を務めていた上田先生が赴任し、同部に勢いが付いた。徐々に部員も増え、昨年度の秋季大会では県内第2位、冬季大会優勝を経て、鹿児島県代表として念願の九州大会出場の切符を手にした。
現在3年生で主演を務めた下川さんは「本当に後輩たちはよくやってくれたと思う。入部してくれて、私を九州の舞台に連れて行ってくれてありがとう」と喜びを語る。
現部長の岩川実夢さんは「自主公演の時に宣言した通り、島民の皆さんに九州大会出場の報告ができて本当に良かった。皆さんへの感謝の気持ちを忘れず、九州大会でも全力を尽くしたい」と意気込む。
同部は12月16日・17日に佐賀県鳥栖市民文化会館ホールで開催される「第59回九州高等学校演劇研究大会」に出場する。